
設を推進するうえで大きな制約になるとのことでした。
我が国では、風力発電は自家用としての利用がわずかにある程度で、まだこれからという段階ですが、世界的に地球環境保全の意識が高まる中で、二酸化炭素の排出抑制が重要な課題となっており、風力発電をはじめとするクリーンエネルギーの利用を今後一層進めていくことが必要になるものと思われます。
2. ハレ市の上・下水道(ドイツ)
ハレ市は、人口約30万人、ベルリン市の南約200キロに位置する旧東ドイツ地域のザクセン・アンハルト州最大の都市で、市内のいたるところで、道路、下水道等の社会資本の整備が進められていました。また、市内を走る路面電卓は、旧東ドイツ時代の車両と統一後に導入された新型車両の両方が使用され、統一の効果の大きさを目に見える形で示しているようでした。
ハレ市では、道路を除くインフラの整備を民営化企業が実施しており、上下水道についても有限会社が設立されています。
ハレ市の調査では、ハレ市環境局長とハレ上下水道有限会社の責任者双方から説明を聞く機会を得ました。有限会社の責任者から、
●同州内では、上水道の6割、下水道の1割が民営化企業が担当していること
●ハレ市では、上水道が2.73DM/m3、下水道が3.57DM/m3で、近隣の市町村に比べかなり低い料金となっていること
との説明があり、民営化企業の経営努力によりいかに住民福祉に貢献しているかが強調されていました。ちなみに、彼は「有限会社の責任者と市の局長とでは前者の方が給料が高い。仕事をしない公務員より汗水流して働く民間企業の方が高いのは当然である。」と話し、東ドイツの変化を印象づけられました。
また、ハレ市では、判例により、上水道については4%までの黒字が認められるが、下水道については黒字を出してはいけないとされているとのことで、上水道と下水道とで経営に対する考え方を異にしている点が注目されました。
現地調査は、十分な時間がとれず、上水道の浄水施設だけでしたが、ザール川から取水した水を浄水施設の周辺に広がる約500haの水源保全地域に浸透させ、その後長い時間をかけて自然浄化された地下水を取水して浄化する方式を採っているとの説明があり、水は地下から採るものという考え方やそれだけの土地を保有できる空間的余裕に我が国との違いを感じました。
3. チューリッヒ市の近自然河川工法下水道(スイス)
チューリッヒ市は、人口約36万人を擁するスイス最大の都市で、下水道はほぼ普及していますが、100年以上経過している管渠があるなど、管渠の更新が重要な課題となっています。
チューリッヒ市では、下水道の約8割が合流式で、市内を流れる川のほとんどが暗渠となり、下水管へ流入していましたが、汚水処理を効率的に行うためには雨水と汚水を分離することが必要であることから、下水管に流入している小川を下水管から切り離して地表に復活させることにより、汚水と分離する事業を進めています。これは、バッハコンセプトと呼ばれる計画に基づくもので、市民にレクリエーションや水と親しむ場を提供すること、小川を動植物の生息の場とすることを目指しており、新しい小川は、三面をコンクリートで固めるのではなく、石や水草を入れでできるだけ自然に近い状態に復元することとしています。
このプロジェクトのリーダーの一人であるチューリッヒ市の担当課長からは、
●事業の実施に当たっては、下水道部局の統括のもとに、土木技術者、景観専門家、生態系の専門家から成るプロジェクトチームを編成し、個々の区間にふさわしいプランを設計していること
●民有地については民間の負担で復元してもらうため、地域住民の理解が不可欠であり、新しい小川は地域住民の好むスタイルにしていること
●復元した小川の流量を超える降水に対応するため、広場や駐車場に遊水機能を持たせるとともに、氾濫のおそれがあるときには下水道に流入させる仕組みにしていること
●円滑に事業を進めるため、起工式に学校の児童に参加してもらうな
前ページ 目次へ 次ページ